シンキングタイム(シリウス編)
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夏、私の無罪が証明されると同時にハリーとの二人暮らしが始まった。
「僕、シリウスが親がわりになってくれて本当に嬉しいよ」
ハリーはそう言って私に笑いかけた。
本当に、天使の様な微笑みだった……。(←欲目)
或る夏休みの午後、リーマスが家に来た。
「いらっしゃい!ルーピン先生!」
「久しぶり、ハリーvvでも私はもう先生ではないよ?」
「あ!ごめんなさい…」
「いいよ、だからこれからはリーマスって呼び捨てでいいからね」
「おい、調子に乗るなリーマス!」
「君に言ってほしいんじゃないよ…」
「違う!」
このままでは埒があかないので、とりあえずリーマスを家の中に入れた。
リビングに連れて行くと、ハリーが一目散にキッチンへ行き、お茶の用意をし始めた。
親がわりになって気付いたが、ハリーはこういう風に客をもてなす事が好きらしい。
ちょこちょこ動く後ろ姿はなんともかわいらしいものだ。
「ねぇ、シリウス…前から聞きたかったんだけど…」
「?何だ?」
「ハリーの洋服って、誰が選んでるの?」
服??
いきなり何を聞いてくるんだ?こいつは。
「そんなの、ハリーと私に決まっているだろう」
週末は必ず二人で仲良くロンドンやダイアゴン横丁へ買い物に行くのだから。
「…質問を変えるよ、あのズボンは誰が選んだの?」
リーマスが指さす先にはエプロンを着ていそいそとお茶の用意をするハリーがいた。
…かわいいなぁ…まるで新妻の様だ…(悦)
「どこ見てるんだよ、ハリーじゃなくてあのズボン!」
「スボン?あの半ズボンがどうかしたのか?」
「あれを選んだのはシリウスかい?」
「ああ、かわいいだろう?」
「うん…」
結局何が言いたいんだリーマス。
「でもあんなのが似合うとさ、他の物も着せてみたくならないかい?」
「…他の?」
「例えば…スカートとか」
スカート…ハリーがスカート!?
「それはフリルは付いているのか!?」
「ご想像にお任せするよ…」
…ハリーがフリルの付いたスカート…
「それは『シスタープリンセス』で“ありあ”という子が着ていたのでもいいのか!?」
「君、末期だなぁ…」
「二人とも何の話してるの?」
しばらくして、お茶とケーキをお盆に乗せてハリーが来た。
「ハリーの服について話し合ってたんだよ」
「僕の服?」
ハリーが私を見て首をかしげる。
ああ!!くそ!!なんてかわいいんだハリー!!!(悶)
ダンッッ!!
いつの間にか私は机につっぷして握りこぶしで机を叩いていた。
ビクッ
「シ…シリウス…?」
「ハリー、気にしなくていいから」
「はぁ…」
私は自分にブレーキをかけなくてはいけない。親がわりとして、私はハリーと暮らしているのだ。
もし…もし手を出してしまいでもしたら、ジェームズとリリーに顔向けできない…!
「シリウス…?お腹でも痛いの?顔怖いよ…?」
「ハリー…」
ああ…ハリーに心配をかけてしまった…。
いつのまにか横に座っていたハリーを見ると、ハリーは心配そうな顔をして私の服の裾をひっぱっていた。
大きな緑色の瞳を潤ませながら…。
…!!!
かわいい!!
これをかわいいと思わない方が変だろう!!??
「シリウス…?どうしたの?震えてるよ??寒いの??」
「(シリウスよりも何よりも…僕はハリーの身が心配だ…!)」
或る夏の日の午後の事でした。
END
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